こんにちは、ホームページ更新スタッフのFです。今回は、山陽小野田市内を放浪していた白黒ボーダー風わんこ「ボーちゃん」のお話です。
最初にお伝えしておきたいことがあります。
ボイスオブアニマルズは、基本的に犬や猫の引き取りや、野犬の捕獲活動は行っていません
ボイスのシェルターは、2021年頃に閉鎖されました。
現在はシェルターを持たず、各個人宅での預かりのみで保護活動を継続しています。
そのため、活動は預かりボランティアの皆さんの力に大きく支えられているのが現状です。
こうした状況から、新たなご相談をいただいても、預かりボランティアの受け入れ可能数はすでに限界を超えており、やむを得ずお断りし、譲渡会への参加をご案内するしかないケースがほとんどです。
現在、預かりボランティア宅での受け入れ頭数も、非常に厳しい状況にあります。
そのような状況の中、昨年10月に「首輪のない放浪犬をどうにかしてあげたい」という相談が寄せられました。
相談してこられたのは、スタッフMさんから猫を家族として迎えてくださったIさん。
冒頭で説明しましたが、ボイスにはシェルターがないので、里親さんか、預かり先が見つからなければ、保護はできません。
ボーちゃんには幸い、預かってくれる方がいましたので、保護に向けて動き出すことができましたが、ボイスには野犬の捕獲経験を持つスタッフはおらず、何ができるのか分からないまま、手探りでの対応が始まりました。
「ボーちゃん」と言う名前は、ボーダーコリーに似ていたその子を、見守っていた方がつけた愛称で、他にもいろんな場所で、白黒ちゃん、ボーダーちゃん、黒ちゃんなどと呼ばれ、おやつやご飯をもらっているような人懐っこい子でした。
しかし、放浪犬らしい警戒心もきちんと持っていて、少しでも捕まえようと言う気配を感じると走って逃げるし、捕獲器にも絶対に入らない子でした。
後から分かったのですが、昨年3月から目撃情報が出ていたようで、かなり長い間放浪していたみたいですが、その人懐っこさから、うまくご飯にありつけていたようで、ご飯で誘き寄せる、閉じ込める、などということはできませんでした。
そして11月半ばから、より積極的な保護活動へと踏み出します。
10月に一度、保護に失敗した教訓をもとに、Kさんがクレートを他団体さんより、譲り受けてくださいました。
これ使って、と、快くリードを譲ってくださった方もいました。
保健所の方に依頼して捕獲器を設置しても、ヒートの匂いを嗅ぎつけて拠点を移動してしまいます。
(ボーちゃんは未去勢の男の子です。)
捕獲器を移設してもらっても、設置直後に再び元の場所へ戻ってしまう、ということもありました。
私たちが考えていた作戦を保健所の職員さんに相談し、助言をいただいたこともあります。
当初は「庭や倉庫に閉じ込めれば安全ではないか」と考えていましたが、フェンスが2メートル以下であれば、登ったり飛び降りたりしてしまうとのことでした。
(これは後に別の保護団体からも指摘を受け、3メートルのフェンスをよじ登る犬もいると知りました。その事実には言葉を失いました。)
ネットランチャーの使用も検討しましたが、ネットランチャー自体には犬を拘束する力はなく、「ネットが絡まって動けなくなる」というのは理想論に近いそうです。
実際には動きを鈍らせる(それでも1/5程度と考えて、と💦)にしかなりません。
万が一、ネットが絡まったまま藪に入ったり、車道へ飛び出したりすれば、命を落とす危険もあります。
以前、保健所と行政が周南市でネットランチャーで捕獲した際には、相当な人数を揃えて決行したそうです。
※ネットランチャーとは、クラッカーみたいに飛び出すネットで不審者を絡め取り、動きを拘束する防犯装置
保健所の職員さんと話を重ねる中で、自分たちの考えの甘さに落胆し、「もう無理なのではないか」と諦めの気持ちが湧いたこともありました。
それでも、最後に職員さんがかけてくれた「何が正解かは、やってみないと分からない」という言葉は、再び前を向くために十分なものでした。
私たちは、公式LINEを立ち上げ、回覧や掲示していただける場所、Instagram等で、情報を集め始めました。
情報の量も質も、これまでとは比べものにならないほど増えていきました。

多くの方から寄せられた情報をもとに、行動範囲をこの一帯まで絞り込むことができました。
しかし、その範囲をボーちゃんは、たった1日で端から端まで移動してしまいます。
車の通りが多い道や、大きな国道でさえ、ためらうことなく渡っていきました。
ボーちゃんは人は怖いけど、犬が大好きです。
犬連れの方の中には、手からおやつを食べるほど心を許している人もいましたが、関係性の深さで言えば、富士山に例えるならまだ3合目ほどだそう。。
「保護にはまだ程遠い」と言われたときは、正直がっくりきたことを今でも覚えています。
それでも、誰か一人でも前を向いていれば、走り出すのがこのチームです。
毎日、5、6件の電話やLINEが入ってくるのですが、情報の中には、追いかけられていた、追い払われていた、突然目の前に出てきて轢きかけたというものまで。
雨が降る日には、どこで雨宿りをしているのかな?と心配するし、雪が舞う日には、失敗した過去を悔やみます。
今、こうしている間にも、ボーちゃんの命の危機が迫っている。
もう、少しの猶予もない。
マイナスな情報にへこたれて、私たちが諦めたら、ボーちゃんはこの先もずっと放浪したままになってしまう。
ピリッとした危機感を、常に胸に抱きながら、ついにネットランチャーの本体をお借りし、カートリッジを準備するところまでやってきました。
ネットがかかったら、絶対に逃せない。
どんな風になっても絶対に保護する、と言う気持ちで、人数が集まる12月20日を決行の日に決めました。
続く


